突然、ブラウザに「ご入会ありがとうございました」と表示され、続けて「●万円を振り込んでください」と迫られるワンクリック詐欺。今ではスマホでも大きな問題だ。自分には関係がないと思っていても、入り口が巧妙で、画面を誤ってタップし直面することもあるのはスマホならでは。先日、シマンテックが報告した新しい手口は、スマホのブラウザを人質にとり詐欺の画面がポップアップしたまま消去できなくなるものだった。もし、スマホでワンクリ詐欺に遭遇したらどうすればよいのか。
【1】無視する
ワンクリ詐欺にあってしまうと、画面には「会員IDです」「ご登録を完了しました」「●万円をご精算ください」「24時間以内にご精算がない場合は、督促させていただきます」など、不安をあおる言葉が並ぶ。すべて無視することだ。「誤操作登録の場合は、24時間以内のこちらへご連絡ください」とメールアドレスを入力させたり、電話をかけるように促す指示まで表示されるが、すべて無視するに限る。
矢継ぎ早に表示されるメッセージは、まるで、こちらの住所や名前などの情報がすべて相手に知られてしまったような錯覚に陥る。しかし、ブラウザでアクセスしただけでは、こちらのIPアドレスや、使用する端末については分かるものの、名前や住所などは分からない。決してこちらから連絡をとらず、無視することが重要だ。こんなものにひっかかる人がいるのだろうか、と冷静な状態のときは誰でも思う。だが、稚拙でも騙される人は必ずいる。
過去に詐欺や恐喝を繰り返してきた人物は、こんな言い方をする。
「どんなムチャクチャなことでもお願いし続けると、100人のうち3人はいうことを聞いてくれる。その言うことを聞いてくれる人を脅し続けると、100人のうち3人はこちらの言うなりになるんだよ」
恐ろしいことだが、一度、相手の要望を受け入れてしまうと詐欺師にとって都合が良い方向へすすめやすいそうだ。ワンクリ詐欺でも同様で「無視する」という初動がもっとも重要になる。