国際情報

中国の官僚 求め続けた40回の性接待を録画で告発されて失脚

 中国で発覚する汚職は、相変わらず唖然とするしかないものが多い。現地の情勢に詳しい拓殖大学教授の富坂聰氏が指摘する。

 * * *
 習近平政権下の中国では、官僚の受難が続いている。かつては権力の庇護の元でやりたい放題。賄賂と接待漬けであった官僚たちが、いまや人民の顔色をうかがいビクビク怯える時代を迎えている。

 2015年が明けて間もなく、そうした官僚の現実を投影したニュースが深圳新聞ネットに掲載された。

 タイトルは、〈失脚した深圳の役人が東莞市で計40回も売春接待 費用は全額贈賄側が支払う〉だ。

 タイトルにある失脚した役人とは元深圳市政法委員会副巡視員の王合意(55)という人物である。政法委員会とは党の司法関係を監督する組織で、一般に警察に対し強い影響力を持つとされる。

 王が問われた規律違反は80万元(約1440万円)の収賄と性の接待を受けたこと。民間会社を経営する告発者の情報提供を入り口に規律検査が行われたという。

 告発者の陳は2007年、自ら経営する会社がトラブルに見舞われ、困った末に王の存在を知り仲介者を通じて王と会い解決を依頼したという。その際、現金で80万元を渡したが、その後も何度も呼び出されて東莞市での接待を求められたという。

 記事によれば王は、陳の再三の求めを利用しながら4年間で約40回も性接待をさせながら、少しもトラブルを解決しようとしなかったというのだ。

 業を煮やした陳は2011年5月末、録画機材をこっそり仕込み性接待を行い、そのデータをもって〝挙報〟(密告)に向かったのだった。

 かつてであれば、こんなことをすればもみ消された挙句に報復されるため泣き寝入りするしかなかった贈賄側も、いまや習近平のおかげで立場が強くなっている。返り血は浴びることになっても、相手を葬り去ることができるのだ。

 それにしても東莞市で接待の強要とは、何ともバブリーな話である。いまの官僚たちには懐かしい昔の話でしかない。厳しい手入れのため壊滅状態になっている東莞市とともに二度と見られない夢である。

関連キーワード

トピックス

不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《田中圭に永野芽郁との不倫報道》元タレント妻は失望…“自宅に他の女性を連れ込まれる”衝撃「もっとモテたい、遊びたい」と語った結婚エピソード
NEWSポストセブン
父親として愛する家族のために奮闘した大谷翔平(写真/Getty Images)
【出産休暇「わずか2日」のメジャー流計画出産】大谷翔平、育児や産後の生活は“義母頼み”となるジレンマ 長女の足の写真公開に「彼は変わった」と驚きの声
女性セブン
不倫報道のあった永野芽郁
《お泊まり報道の現場》永野芽郁が共演男性2人を招いた「4億円マンション」と田中圭とキム・ムジョン「来訪時にいた母親」との時間
NEWSポストセブン
春の園遊会に参加された愛子さま(2025年4月、東京・港区。撮影/JMPA)
《春の園遊会で初着物》愛子さま、母・雅子さまの園遊会デビュー時を思わせる水色の着物姿で可憐な着こなしを披露
NEWSポストセブン
不倫を報じられた田中圭と永野芽郁
《永野芽郁との手繋ぎツーショットが話題》田中圭の「酒癖」に心配の声、二日酔いで現場入り…会員制バーで芸能人とディープキス騒動の過去
NEWSポストセブン
春の園遊会に参加された天皇皇后両陛下(2025年4月、東京・港区。撮影/JMPA)
《春の園遊会ファッション》皇后雅子さま、選択率高めのイエロー系の着物をワントーンで着こなし落ち着いた雰囲気に 
NEWSポストセブン
田中圭と15歳年下の永野芽郁が“手つなぎ&お泊まり”報道がSNSで大きな話題に
《不倫報道・2人の距離感》永野芽郁、田中圭は「寝癖がヒドい」…語っていた意味深長な“毎朝のやりとり” 初共演時の親密さに再び注目集まる
NEWSポストセブン
週刊ポストに初登場した古畑奈和
【インタビュー】朝ドラ女優・古畑奈和が魅せた“大人すぎるグラビア”の舞台裏「きゅうりは生でいっちゃいます」
NEWSポストセブン
現在はアメリカで生活する元皇族の小室眞子さん(時事通信フォト)
《ゆったりすぎコートで話題》小室眞子さんに「マタニティコーデ?」との声 アメリカでの出産事情と“かかるお金”、そして“産後ケア”は…
NEWSポストセブン
逮捕された元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告(過去の公式サイトより)
「同僚に薬物混入」で逮捕・起訴された琉球放送の元女性アナウンサー、公式ブログで綴っていた“ポエム”の内容
週刊ポスト
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン