【書籍紹介】『沈みゆく大国 アメリカ』堤未果・著/集英社新書/720円+税
【選者】業田良家 漫画家。SAPIOで「ガラガラポン!日本政治」連載中。著書に『機械仕掛けの愛』(1~2巻、小学館)など。
堤未果の著作を読んだのは2作目だ。以前に読んだ『ルポ 貧困大国アメリカ』(岩波新書)ではフードスタンプ(貧困者に配られている食料購入券)の受給者が四千数百万人いることを知り驚愕した。
本書はアメリカの医療と医療保険制度の大問題を告発している。病気をすれば即、自己破産の世界は絶望的だ。例えば、くるぶしを骨折して640万円の医療費! 日本も他人事ではない。2013年に成立した「国家戦略特区法」を突破口にして同じような状況になっていくだろう。
※SAPIO2015年2月号