冬は口臭がきつくなりやすい。原因は乾燥だ。外はもちろん、室内も暖房の影響で、加湿器を使用しても追いつかないほど乾いている。いつもは唾液で潤っているはずの口の中まで乾燥してしまう。
唾液には、リゾチームなどの殺菌・抗菌作用を持つ物質が含まれている。口の中が乾燥すれば、それらが減少して口腔内の雑菌が増殖しやすくなり、口臭がきつくなるのだ。
「ビニール袋に息を吐いてためて1分ほどおいてから、ビニール袋の中のにおいをかいでみると、自分の口臭をチェックできます。不快に思わないにおいなら、問題ありません」(丸山歯科医院・丸山和弘院長)
人は誰でも多少の口臭があるが、こんなにおいがしたら要注意だという。日本口臭学会指導医でほんだ歯科院長・本田俊一さんは言う。
「口が乾燥しているときの口臭は、揮発性の硫黄化合物が主な成分です。つまり、硫黄のようなにおいがします。このにおいは、起床時にいちばん強くなります」
冬は閉め切った空間で人と話すことが多いから、特に口臭に気をつけたい。そこで今日からできる予防&対策をふたつご紹介する。
就寝中にするマスクは口臭予防に有効だ。
「就寝中に口が開いている人は多い。朝起きるとカラッカラ、のどの奥までヒリヒリしていることがある。冬は室内の空気も乾燥しています。
マスクをして寝ると、吐く息に含まれる水分が口内にとどまり、乾燥を防いでくれます。日中のように鼻まで覆うと、苦しくて無意識のうちにマスクをとってしまう人もいるようです。鼻部分を出して、口を覆うだけでも効果は充分。特にウエットタイプがおすすめです」(本田さん)
もうひとつは、起床時に唾液を吐き出すこと。
「起床時、口内の細菌数は最も増加。睡眠中は唾液の分泌が抑制され、自浄作用が働かず殺菌・抗菌作用が著しく低下するためです。
寝起きに水や白湯を飲む人がいますが、これは就寝中に増殖した雑菌をそのまま飲み込むことになるので、やめてください。朝起きたら、まず口の中に溜まった唾液を吐き出して、口をゆすぎ、歯を磨いてから水を飲みましょう」(本田さん)
※女性セブン2015年1月29日号