ドイツの建築家、ブルーノ・タウトが京都の桂離宮を訪れた際の第一声が「泣きたくなるほど美しい」だったことは有名だが、かように“和の神髄”について、外国人の目を通して教えられることは少なくない。
『韓国人の癇癪 日本人の微笑み』(小学館)などの著書がある韓国人作家の柳舜夏氏は、「韓流おばさんを見れば日本の“甘えん坊精神”の偉大さがわかる」と語る。
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日本には諸外国にない「甘えの構造」があり、いつまでも大人になり切れない日本人の“幼児性”を批判する外国人は多い。
だが、日本人の精神構造を理解する上で「甘えん坊」という言葉は重要なキーワードになる。
人に甘えたり、駄々をこねるのは子供らしい情緒的反応だ。しかし、人々は大人になるに連れ、持って生まれたはずの柔らかでしっとりした子供心を失って不愛想な人間に変わっていく。青い草原が「干からびた砂漠」になるわけだ。
ところが、日本人は年を取っても子供のような純朴さや天真爛漫さを失わない。そうした日本人の甘えん坊の子供のような内面は、日本のおばさんたちが韓流に心酔する現象からも読み取れる。
アジアの他の国では、いわゆる韓流ファンの大半は若者だが、日本では大半がおばさん世代だ。彼女らはペ・ヨンジュンに熱狂し、アン・ジェウクの歌を聴いてむせび泣く。
その姿は韓国の10代の少女よりも少女らしい。頭髪が白いおばさんたちが、若いスターに黄色い歓声を上げる光景は日本以外では見られない。
●取材・構成/大木信景(HEW)
※SAPIO2015年2月号