「とにかくおとなしく静かな子で、声を聞いたこともない。ただ、50代以上の住民がほとんどのなか、若くて小ぎれいにしている彼は逆に目立っていた」
スナック菓子につまようじを混入したり、万引きしたようにみせかけた動画を『YouTube』にアップしていた少年(19才)が、18日朝逮捕された。彼が暮らしていたのは、都内にある生活保護受給者が格安で住める施設。冒頭は、同じ施設の住人の言葉だ。
木造2階建てで、トイレ・風呂は共同。3食付きで、10人ほどの班が交代制で食堂に集まる。しかし彼は、食事の時間に誰かと会話することもなければ、共有スペースでテレビを見ることもなかった。
「いつも青い自転車に乗って近所をうろうろしていてね。でも行くあてがあるわけじゃなく、とにかくぐるぐる。ずっと乗っているからサドルも擦り切れてて、ビニール袋を被せて補強していたくらいだった。帰ってきたら、今度は部屋にこもってインターネットばかり」(別の住人)
社会心理に詳しい新潟青陵大学大学院教授・碓井真史氏はこう分析する。
「彼にとって、現実世界で人と触れ合うことにはなんの意味もなかったのでしょう。ネットの世界だけが彼の居場所だった。だから、自分の動画を分身のように感じ、たくさん再生されて多くのコメントがつくことで、人気者になれたと錯覚していたんです」
※女性セブン2015年2月5日号