死者6400人超、被災者は30万人にものぼる未曾有の被害をもたらした阪神・淡路大震災から20年を迎えた1月17日、天皇皇后両陛下は「阪神・淡路大震災20年追悼式典」に出席された。ろうそくが灯された祭壇の前で、両陛下は献花の後、静かに祈りを捧げられた──。
「大震災の凄惨な状況を目の当たりにされた両陛下は、20年が経った今でも被災者や遺族へ思いを寄せられていて、今回の追悼式典は“ぜひ、自分たちが赴きたい”という強いご意向で実現されました」(宮内庁関係者)
式典後、両陛下は防災関係者らと懇談の時間を持たれた。
阪神・淡路大震災での被災者支援の取り組みとして発展した音楽療法。両陛下と面談した兵庫県音楽療法士会の松崎聡子理事長は、こう話す。
「かなり緊張していたんですが、両陛下が微笑んでくださったお陰で、リラックスできました。美智子さまが“音楽療法士になるには、どのようなことが必要ですか?”と質問されたので“いちばん大切なのは、音楽だけではなく対象者の心に寄り添う気持ちを持つことです”と答えました。すると、“高齢者からお子さんまで、広い世代にそれぞれに合った療法を行わなければならないから大変ですね”とおっしゃってくださいました」
被災者だけではなく、復興に尽力する人々への心遣いも大切にされている。震災当時、精力的に被災者の元を回られていた両陛下も、あれから20年が経ち、80才を超えられた。追悼式典では、こんなシーンがあった。
「これまで陛下は式典などのご公務中は、常に背筋を伸ばされ、微動だにすることなく、挨拶などに耳を傾けていらっしゃいました。しかし、今回の式典では、わずかですが左右に動かれたりする場面も見受けられました。やはりお体が相当おつらいんだと思いますよ。そんな陛下の様子に美智子さまも不安を感じられたのか、終始、気にかけていらっしゃいました」(皇室記者)
だが、その美智子さまも、年末のベルギー弾丸ツアーの影響もあり、お疲れはピークにある。
「両陛下は即位されて以来、“皇室は祈りでありたい”というお考えの下、天皇皇后としての務めを果たされてきました。戦後70年の今年は4月にパラオを訪問されるなど、両陛下が続けてこられた“祈りの旅”は集大成を迎えます。ですから、お体は満身創痍の状態にあっても、両陛下は国民のために休まれることはないんです」(前出・宮内庁関係者)
※女性セブン2015年2月5日号