夕方ニュースのメインキャスターを15年間務めた安藤優子(56)が、4月から午後の2時間ワイドショー番組を担当することになった。視聴率低迷にあえぐフジテレビでは、ベテラン社員こそ「今度こそ打倒『ミヤネ屋』だ」と鼻息が荒いが、若手社員たちからは「もう安藤さんの神通力は通用しない」という厳しい声も聞こえる。だが、当の安藤は新番組に「本気モード」で挑んでいるらしい。情報番組担当社員がいう。
「安藤さんの相手役を務めるのは俳優の高橋克実さん。ちょっと意外な組み合わせだが、『トリビアの泉』(フジテレビ系)で司会を軽妙にこなした実績がある。高橋さんをMCに指名したのは安藤さん本人のようです。彼女にとって最大の不安要素は主婦向けの軽い話題をコミカルにこなせるかどうか。その点、高橋さんは適任です」
さらに安藤キャスターは新たな「専門分野」を身につけた。40代・50代の女性の多くが悩む「介護」だ。
「安藤さんの89歳のお母さんは、15年前に認知症を発症し、それ以来、安藤さんが介護してきた。彼女は最近、雑誌や新聞などで介護について多く発言するようになっている。政治が専門で男性受けがいいというイメージが強かった彼女ですが、経験を活かして女性視聴者に寄り添う報道をしたいと考えているようです」(同前)
安藤が「主婦」を強く意識しているのは、朝の情報番組の好調もあるだろう。
不調のイメージが強いフジだが、唯一好調なのが午前の時間帯だ。『めざましテレビ・第2部』(月~金・朝6時10分~)、『とくダネ!』(月~金・朝8時~)、『ノンストップ!』(月~金・朝9時50分~)がいずれも民放同時間帯の首位。
「好調の理由は徹底した“中年主婦シフト”です。『とくダネ!』では梅津弥英子アナ(36)をメインMCに加えて“主婦目線”を入れたことでグンと視聴率が上がった。おそらく安藤さんもそのあたりを念頭に置いているはず」(同前)
一方で、ワイドショー枠としては大きな冒険も検討されている。新番組では主婦の生活ネタを増やす一方、「安藤カラー」として芸能コーナーを極力減らす方針が囁かれている。
「『スーパーニュース』の時にも“脱・芸能”の方針をとったが、一気に視聴率が悪化した。安藤さんひとりの意見ではないのでしょうが、芸能好きな主婦が多いことも事実。ライバルの『ミヤネ屋』は、昨年10月に矢口真里のインタビューをやったように、芸能スキャンダルをガンガンやってくる。致命傷にならなければいいが……」(編成担当社員)
※週刊ポスト2015年1月30日号