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東大専門家 2015年気候変化の節目で温暖化が本格化と予測

 昨年末から東北、北陸、長野、岐阜などの各所で降り続いている大雪。積雪量は多いところで平年の2倍におよび、徳島県では西部の集落700世帯が孤立するなど、被害は甚大なものになった。そして2月にはさらなる大雪に見舞われる可能性がある。

 気象予報士でウェザーマップ代表の森田正光さんが説明する。

「温暖化によって北極の氷が減少すると大気の流れに変化が生じ、中国大陸やシベリアの寒気が南のほうへ押し出してくる。それが日本の上空を通るときに日本海の水蒸気を受けて、日本海側を中心に大雪を降らせるのです。

 この先、2月以降に冬型の西高東低の気圧配置が強まると、日本海側、特に東北から北陸にかけて引き続き豪雪への警戒が必要になります」

 農林水産省が発表した昨シーズンの大雪による被害額は、36都道府県で1841億円超。今シーズンはそれを上回る被害が出てもおかしくない。

 温暖化と都市化の影響で、近年、5月から初夏にかけては、積乱雲によってひょうが降ったり竜巻が起こったりする可能性が高くなっている。積乱雲は、夏は1時間に50mm以上の「非常に激しい雨」、1時間に80mm以上の「猛烈な雨」を降らせる。

 気象庁によると、1時間あたりの降水量が50mm以上の短時間強雨の発生回数は10年ごとに21.5回増えており、年々増加傾向にある。実際、東京などの都市部はゲリラ豪雨に何度も襲われている。今年はさらに増えそうだ。

「昨年8月の広島の豪雨と同じことが、全国どこでも起こりえます」(森田さん)

 また東京大学大気海洋研究所副所長の木本昌秀さんは、2015年が気候変化の節目になると見ている。

「1998年以降、熱帯の海水温が下がるラニーニャ現象が頻繁に起きていましたが、近い将来、あるいは今年収束し、温暖化が本格化するかもしれません。現在起きているエルニーニョ現象が夏以降も続くと梅雨期の豪雨が増え、冬には日本海側ではなく太平洋側で大雪が降る可能性がある。今年はそうした意味で注目の年です」(木本さん)

※女性セブン2015年2月5日号

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