世界的ロックバンドの元ギタリストでアメリカ人のマーティ・フリードマン氏は、「日本の演歌を聞いたら鳥肌が立ち、なにか物語を観たように泣けてきた」と語る。だが、同氏が魅せられた日本の音楽は演歌だけではない。
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演歌だけでなく、僕は日本の音楽全般が好きなんだよね。日本に来るようになって、日本という国と同時にJ・POPにハマった。そのうちに聴く音楽がすべてJ・POPになってしまい、それなら日本に住むのが一番だと。
いま日本に住んでいる理由は100%J・POPです。J・POPを聴き、演奏し、その世界に入りたかった。本当にそれがすべてなんです。
B’zから、つんくさんや小室(哲哉)さん関連などなんでも聴きました。
日本の歌謡曲はメロディを大事にしている。実は洋楽ってメロディがそんなにしっかりしておらず、美しくないんです。日本の音楽はメリハリがあって、その旋律は時に鳥肌が立つほど。
最近は特にアイドルグループがおもしろいですね。日本のような、ポジティブでアグレッシブでなにより「元気をもらえる」曲は洋楽にはない。
音楽の形容で「元気をもらえる」という言葉は、英語では表現できないんですよ。音楽が好きなら日本という国は世界一だね。だから僕はここにいるんです。
●取材・構成/大木信景(HEW)
※SAPIO2015年2月号