「残留、背番号1を永久欠番に」「和田監督、残留を歓迎」「阪神80周年に吉報」──。関西マスコミは鳥谷敬のメジャー挑戦断念を大歓迎しているが、鳥谷自身はスッキリとしないようだ。
鳥谷は昨年末に海外FAを宣言し、レギュラーを条件にメジャーでの移籍先を探した。しかし長打力に乏しいうえ、30歳を超えた鳥谷の評価は厳しく、受け入れ先は見つからなかった。
「そもそも鳥谷がメジャー移籍を考えたのは、阪神がメジャー帰りの選手を厚遇しすぎることに反発したから。生え抜きでは年俸が上がらないが、メジャー帰りはいきなり高額契約になる。鳥谷はそうした愚痴を親しい記者に話していました。しかし残留したら、年俸が大幅に上がった(2億8000万円→4億円)。
愚痴をいっていただけでも気まずいのに、自分が批判していた“メジャー帰り厚遇”になったことでかなり複雑なようです」(スポーツジャーナリスト)
チーム内に不協和音も起きた。鳥谷の移籍に対応して大和を遊撃手へコンバートし、二塁を上本博紀に任せ、西岡剛をセンターへ回すという案が浮上。これに西岡が反発して「二塁を上本と争う。負けたら控えでいい」とブチ上げたのだ。
鳥谷移籍なら、まだ西岡が遊撃手の可能性もあったが、それも消え、本当に西岡のタンカ通りに上本とどちらかがレギュラー落ちの危機を迎えている。ある阪神ファンの指摘は手厳しい。
「阪神の選手はワガママばっかりや。西岡の発言だって、要は“俺は二塁しか嫌や”ってことやろ。マイナーがイヤで戻ってきた鳥谷もワガママ。せっかく上本が育ってきたのに余計な火種が増えた。上本や大和のファンだっておるんや。何も考えてない」
※週刊ポスト2015年2月6日号