日米通算164勝で日本球界に復帰、4年間16億円の破格条件でソフトバンクに落ち着いた松坂大輔。1999年の西武入団以降、8年間で108勝をマークし、ポスティングでメジャー移籍してからも1年目に15勝、2年目にも18勝。その後はケガに苦しんだが、長く日本を代表するエースとして君臨してきた。
“平成の怪物”の日本一チームへの加入は吉と出るか凶と出るか。布陣を見る限りでは松坂に追い風が吹いている。
「今のソフトバンクは“元・西武色”が強い。工藤公康監督を筆頭に、正捕手には細川亨、投手にも帆足和幸がいる。細川とは長くバッテリーを組んでいたし、1つ年上の帆足は西武時代から一緒にゲームをして遊ぶなど仲が良い。すぐに溶け込めると思います」(ソフトバンク担当記者)
一方で求められる合格ラインも高い。
「ソフトバンクの特徴はケガや病気などで投手に離脱者が多いこと。松坂の加入で層が厚くなり、12人で2つローテーションが組めるなどといわれているが、頭数は揃っていても柱がいない。松坂にはそれなりの勝ち星が求められる」(同前)
松坂は何勝できるのか。プロ野球データに詳しいライターの広尾晃氏は、こう分析する。
「過去MLBの先発投手で、日本に復帰して成績が渡米前を上回った選手はいません。高齢化、メジャーでの消耗や故障、日本球界への再対応の難しさなどが要因でしょう。松坂の場合、故障のためここ4シーズンは年間100イニングも投げておらず、規定投球回数(144回)をクリアする可能性は極めて低い。
勝ち星はメジャーへ行く前の8年間の6掛けがせいぜいで、おそらく8勝前後でしょう。打線の援護でうまくいけば2桁に届くかもしれませんが……」
※週刊ポスト2015年2月6日号