昨年末、政府の地震調査委員会が発表した『全国地震動予測地図』では、今後30年間の震度6弱以上の地震発生確率が関東で軒並み上昇した。相模湾から房総沖にかけた相模トラフの地震発生確率を盛り込んだことと、首都圏直下のフィリピン海プレートの位置を従来よりも10km浅く設定したためで、横浜78%、千葉73%、水戸70%となっている。
武蔵野学院大学特任教授の島村英紀さんが注目し、今後も危ないと指摘するのは、昨年11月に震度6弱を観測した長野北部の地震だ。ここは前述の地震調査委員会の予測地図では、関東や東海ほど確率は高くなっていなかった。
「この長野北部の地震で動いたのは白馬村の神城断層ですが、この断層を含む『糸魚川静岡構造線断層帯』は大断層帯です。今後も松本市近くの牛伏寺断層などが動く可能性があります。その場合、周囲の活断層と連動してM8クラスの地震を引き起こす可能性があり、負傷者45名、住宅全半壊141棟の被害を出した昨年11月の地震とは比べものにならないほど被害が拡大するでしょう」(島村さん)
異常気象に火山噴火、巨大地震と、2015年も引き続き天変地異に見舞われる可能性が高い日本列島。やみくもに恐れるばかりでなく、災害を想定して、備えておくことが肝要だ。
※女性セブン2015年2月5日号