各地から合同自主トレのニュースが届く中、注目を集めたのは阪神の若きエース・藤浪晋太郎が広島の前田健太が率いる「チームマエケン」の自主トレに参加したことだった。
藤浪が前田に心酔するようになったのは、昨年11月に開催された日米野球で侍ジャパンに招集されたのがきっかけだったようだ。
練習中に藤浪は前田から調整法についてのアドバイスをもらった。もともと藤浪はキャンプでも100球以上は投げない調整をしてきたが、昨年は球数が多くなった時に打ち込まれることもあり、チーム首脳からは「もう少し投げ込ませたほうがいい」と調整の変更を求める声が挙がっていたのだという。
「ところが同じようにノースロー調整をモットーにする前田が、悩める藤浪に“周りから何をいわれても気にするな”と背中を押した。それに共感した藤浪が自主トレでも前田と一緒に練習したいと言い出したのです」(阪神担当記者)
チームマエケンのメンバーは中田廉、大瀬良大地、中崎翔太と広島の選手ばかりである。それだけに当初は、阪神が藤浪の申し出を許可する可能性は低いといわれていた。そもそも阪神では、高卒3年目までの選手には鳴尾浜(二軍球場)での合同自主トレを課している。
「しかしある事情から方針が一転し、“マエケン組”への合流に許可が出た。実は同じ時期に、藤浪の母校である大阪桐蔭のOBたちが、西宮で自主トレするという情報が伝わってきたのです。
中心メンバーは大阪桐蔭出身の阪神・西岡や日本ハム・中田翔ですが、その西岡は藤浪を新人時代にクルーザー合コンに連れ出して、その様子を写真誌に撮られて物議を醸した“前科”がある。鳴尾浜にいたらまた悪影響を受ける可能性があるから、遠ざけるための策として、東京都内で自主トレをするチームマエケンへの合流を許したのだといわれています」(スポーツジャーナリスト)
選手の交友関係も気にしなければならない球団にオフはない。
※週刊ポスト2015年2月6日号