《カラオケみんなが歌って いっぱいお金入るって まったくウソじゃない 歌手は一銭ももらえない 泣きたい》──1990年代を代表する自身の名曲『会いたい』をこんな替え歌にして披露した沢田知可子(51才)が、窮地に陥っている。
沢田がこの替え歌を歌ったのは2013年9月、『さんまのスーパーからくりテレビ』(TBS系)でのこと。放送を見た同楽曲の作詞家の沢ちひろは、「歌詞に敬意を払っていない」と激怒したというのだ。
さらに沢田は2014年7月に、『会いたい』のタイトルと歌詞を無断で一部改変した曲を収録したアルバムを発売。これに対し、沢は同年12月、「著作者人格権を侵害された」として、沢田に慰謝料200万円を求める裁判を起こしたのだ。
「沢さんによれば、『会いたい』の詞は幼い頃に死に別れた自分の母との思い出をベースにして書いたものなのに、沢田さんがさまざまなメディアで自分の体験談であるかのように語っていて、そのことに昔から不信感を募らせていたそうです」(音楽関係者)
1月20日に大阪地裁で始まった裁判では、沢田が沢に対して謝罪文を送り、和解申し入れをしたが、沢が拒否していたことも明らかになった。
今回の裁判でスポットが当たった「著作者人格権」。これはわかりやすく説明すると、「著作者が著作物に込めた思想や感情等を、著作者の意に反して勝手に改変されない権利」というもの。
「例えば『替え歌メドレー』で有名な嘉門達夫さんの場合、替え歌を出す際は、すべて歌手や作詞作曲家に許可を得ているし、CMソングの場合は企業にも許可を得た上で歌っています。みんな笑って聴いていますが、替え歌って実は極めて繊細な問題をはらんでいるんです」(別の音楽関係者)
実際、この沢田の騒動を受けて、今、戦々恐々としている大物歌手がいるという。
「小柳ルミ子さん(62才)は沢田さんと同じ番組で、『お久しぶりね』の替え歌を披露していたし、この番組の替え歌コーナーの常連である小林幸子さん(61才)も、『もしかして』など、数々の代表曲を替え歌にして歌っています。
今回の訴訟を機に、“私も不愉快な思いをした”として抗議する作詞家が出てきてもおかしくありません。さらに、沢田さんはワイドショーの直撃に、“番組スタッフから、替え歌はこちらが用意するからあなたは歌うだけでいいと口説かれた”と釈明していました。これが本当なら、番組制作陣も共同責任を問われるべきだという声まで上がっています」(前出・音楽関係者)
※女性セブン2015年2月12日号