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フェアな解説を心がける神尾米が一度だけやってしまったこと

 錦織圭選手の大躍進で注目が集まっているテニス。テレビで中継されることも増えているが、元プロテニス選手で現在解説者を務める神尾米さん(43)は、解説の難しさを語る。フェアでやさしい語り口が人気の神尾さんが、一度だけ「やってしまった」ことがあるという──。

 * * *
 2013年のウィンブルドン。シードを破って決勝に上がってきたリシツキ選手が話題になっていました。

 でも、決勝の朝練習ですごく態度が悪かったんです。「ここに打って」と言ってコーチの球がずれたらドカンと打ち上げたり、「他の人に代わって」と言ったり。テニスでは先輩であるかなり年上のコーチにですよ。

 それまでの2週間、コーチたちの苦労も相当だったはず。それなのに…と、彼女に悪い印象をもってしまいました。それで試合解説中に、彼女に対して厳しいことを言ってしまったんですね。

 そうしたらひとりの視聴者のかたからメールがきた。「神尾さんの解説は今まですごくフェアだったのに、リシツキ選手のこと嫌いなんですか?」って。ショックでしたね。メールもですが、自分は「ネガティブなことを言わない」を心がけているのに、それを破ってしまったことが。

 もちろん、選手の状態が本当に全然ダメなときもあります。その際は、なぜダメなのかを説明するように気をつけていますね。

 また、選手の裏側を探るということも大事です。なぜそのショットを選んだのか、そこには必ず意味とストーリーがある。ですから、選手のことは、前哨戦や練習から追うようにしています。

※女性セブン2015年2月12日号

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