日本の「夫婦の性」が、ますます冷え切っているという衝撃のデータが明らかになった。夫婦間のセックスレスは、10年前と比較して1割以上も増加し、全カップルの44.6%にまで達していたのである。
セックスレスとは、「特殊な事情が認められないにもかかわらず、カップルの合意した性交あるいはセクシャルコンタクトが1か月以上なく、その後も長期にわたることが予想される場合」(日本性科学会の定義)を指す。
つまり、いまや半数近くの夫婦で、ひと月以上セックスをしないことが当たり前になっているのだ。
この結果を明らかにしたのは、性の問題や家族計画に関する事業を行なう一般社団法人「日本家族計画協会」。同協会では2年に1度、性の実態を調査する「男女の生活と意識に関する調査」を行なっており、1月14日には、16~49歳の男女1134人から回答を得た第7回の調査結果が発表になった。
2004年の調査では31.9%だったセックスレスの割合が、今回は44.6%まで増加していた。
特にセックスレスは40代で顕著だ。25~29歳夫婦が39.3%、30~34歳が32.0%、35~39歳が39.3%なのに対し、40~44歳で54.9%、45~49歳で49.4%と40代に突入した途端、一気に増えている。
同調査では、セックスレスと回答した男女にその理由を聞いている。男性の理由のトップは「仕事で疲れている」(21.3%)、2位は「(妻の)出産後なんとなく」(15.7%)で、女性のトップは「面倒くさい」(23.8%)、2位が「仕事で疲れている」(17.8%)だった。
どれもセックスレスの理由としてよく聞く話だが、男女ともに上位の「仕事で疲れている」という回答には注目しておくべきだ。
今回の結果でもうひとつ興味深いのが「仕事(年収)」とセックスレスの相関関係である。
世帯年収を「100万円未満」から「1000万円以上」までの7段階に分類してセックスレスの割合を調べたところ、セックスレスが最も少なかったのは世帯年収200万~400万円の夫婦で38.2%。世帯年収1000万円以上の夫婦のセックスレスの割合が最も高く、51.4%となっている。
※週刊ポスト2015年2月6日号