中国の習近平・国家主席の年収が13万6620元(約300万円)であることが分かった。中国共産党機関紙「人民日報」が報じた。習氏は共産党総書記と中央軍事委員会主席も兼務しており、この両ポストの報酬は公表されていないが、国家主席と同レベルだとすると、年収は日本円で約900万円となる。とはいえ、それでも世界の主要国の指導者のなかではダントツで最低だ。
中国の国家指導者の給与の正確な額が明らかになるのは初めて。今年1月に公務員の給与の改定が発表され、昨年10月から遡って支給される。国家主席の場合、月給はこれまでの7020元(約13万3000円)から1万1385元(約21万6000円)に上がっている。
末端の公務員では、最低レベルが旧来の630元(約1万2000円)から1320元(約2万5000円)と倍以上の増額だ。逆に言えば、これまでが、いかに低く抑えられていたか分かる。
今回の給与改定は公務員だけで、党や軍の給与改定は発表されておらず、中国の公式給与額は依然としてヤブの中だが、公務員に準じているとみられる。それでも、習氏の年収は日本の民間企業の上レベル並みといえる。
ちなみに、英経済誌「エコノミスト」によれば、主要国で最も高額な年収はシンガポールのリー・シェンロン首相で218万ドル(2億7350万円)、次が香港の梁振英・行政長官で52万ドル(約6240万円)。
第3位はケニアのオテンガ首相の43万ドル(約5160万円)だ。先進国の首脳では、オバマ米大統領が40万ドル(約4800万円)。以下、フランスのオランド首相が30万ドル(約3600万円)、ドイツのメルケル首相は28万ドル(約3360万円)、キャメロン英首相が21万ドル(約2520万円)。プーチン・ロシア大統領11万5000ドル(約1380万円)となっている。
こうざっとみても、習氏の年収は低いようだが、中国の場合、最高指導層は引退後の年給や福利厚生などが手厚く、亡くなるまで現職時代の給与が支払い続けられることや、医療費や秘書、旅行などの諸費用はすべて国家が支払ってくれる。このため、その寿命にもよるものの、生涯収入をみると、欧米など西側諸国よりも恵まれている場合もあるといえそうだ。