正月や法事など、ごくたまに会う親戚をいつも「おじさん」「おばさん」などと呼んできたけれどいったい誰と兄弟なのかわからないことはないだろうか。自分の親戚は誰とどのようにつながっているのか把握するため、家系図をつくるソフトウェアやアプリへの注目が高まっている。多くは自分の家族の家系を記録するために使っているが、アプリ版では歴史上の人物やマンガのキャラクター、競走馬の家系図などを作成するのに使う人もいる。
昨年4月にダウンロード版、5月にパッケージ(CD-ROM)版で家系図が作成できるソフト『親戚まっぷシリーズ つくれる家系図』を発売した株式会社筆まめのマーケティング部の有田智史さんは「当初の販売計画を期待よりも上回っています」と反響の大きさを語る。
「事前の自社アンケートでは、家系図作成は時間と手間、費用がかかるといった印象を持たれている方が多くいらっしゃいました。実際に取り組んでみたものの、古い戸籍謄本を読み解けないなどの理由で断念された方も多いようです。これら敷居の高さを解決できないかと考え、名前や生年月日など項目を入力するだけの操作が簡単なパソコンソフトに、行政書士の先生による戸籍についての解説ガイド本を同梱して商品化しました」
分かりやすい操作性とガイド本が組み合わさったソフトは発売直後から評判を呼び、オンラインソフトウェア販売大手のベクターの第22回Vectorプロレジ大賞パーソナル部門賞を受賞している。また、購入者に60代以上の男性が多いからか、全体としてはダウンロード版よりもパッケージ版の販売比率が圧倒的に高い。作成した家系図を閲覧、編集できる連動アプリも人気だ。
「家系図は結婚、出産、死別などで変化し長く記録していくものですが、新しい情報を加えるときがこれまでは大きな障害でした。私自身も試しにエクセルで作ってみましたが、変更を加えるのがとても難しかった。そういった困難さから諦めた人たちが、ソフトのおかげでチャレンジしてくださっているようです。入力するだけで人物の追加や変更、補足が行える簡単さをユーザーの皆さまからご評価いただいています。
また、印刷したり、連携アプリでスマホ画面に表示したり親戚の皆さんと一緒にご覧になることもできるので、末永く皆さんに使っていただきたいですね」(前出・有田さん)