投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の1月26日~1月30日の動きを振り返りつつ、2月2日~2月6日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は上昇。大発会につけた高値を突破し、一時17850円を回復している。1月25日のギリシャ総選挙の結果を受けたユーロ安の流れを受けて、週明け26日は利益確定の流れが先行した。しかし、その後の欧米市場についてはユーロ圏の債務危機再燃への懸念は強まらず。この流れを受けた27日の日経平均は300円近い上昇をみせた。
米国ではマイクロソフトやキャタピラーなど主要企業の決算が嫌気される格好からNYダウは波乱の展開。シカゴ日経225先物は大阪比で大きく下げる局面を幾度かみせるものの、年金資金と観測される資金が断続的に入るなか、米国の下落をはねのける強さをみせた。もっとも国内についても決算発表が本格化しており、決算を見極めての流れの中、日経平均は17600-17850円辺りでのもち合いが続いていた。物色は決算を手掛かりとした商いが中心であり、ザラバに発表した企業などには短期筋の資金などが集中することで値動きの荒い展開にも。
今週以降も決算を手掛かりとした物色が続くことになるが、これまでの決算をみても、発表とあわせて自社株買い、配当の増額修正、株式分割といった株主還元策などの合わせ技を出してくる企業が目立つ。また、年金と見られる買いが断続的に入り先高感の強い相場展開のなか、下方修正だとしても、需給妙味の大きい銘柄などは、悪材料出尽くしとの見方にもなりやすい。株主還元策に対する市場参加者の評価は高く、今後発表してくる企業に対しての期待値は上昇することになろう。
米国では2月4日に1月の米ADP雇用統計、6日に1月の米雇用統計が発表される。12月は非農業部門雇用者数が前月比25万2000人増、失業率は5.6%だった。連邦公開市場委員会(FOMC)声明では早期利上げ観測が後退する格好となったが、経済指標の内容等を受けて波乱要因になりやすい。また、原油先物相場が不透明な動きをみせていることも、方向感を掴みづらくさせよう。
国内についても主要企業の決算が本格化することから、全体としては膠着感の強い相場展開に入りやすい。その中、今週はトヨタ<7203>の決算を迎える。高値圏で推移する同社が決算を受けて2007年の最高値水準を意識されるか、若しくは調整色が強まるかによって、相場全体の方向性を映してくる可能性がありそう。サプライズ感のある株主還元策等が合わされば、日経平均は節目の18000円を意識したトレンドに向かわせるだろう。