スポーツ

セルジオ越後氏 日本サッカーに対し辛口批評する理由を語る

 サッカーアジア杯の準々決勝で敗れた日本代表に対し、Twitterで「不動のメンバーしか起用しないAKBサッカーはもう終わりだよ」とコメントしたサッカー解説者のセルジオ越後さん。こんな辛口批評とは裏腹に、実は穏やかな人柄で知られる。セルジオさんが、日本のサッカーに、あえて苦言を呈するのはどうしてなのか――

 * * *
 ぼくの解説が“辛口”と呼ばれるなんて、いかに完全なプロスポーツが日本にないかということだよね。プロ選手に対して厳しいのは当たり前。でも日本は企業だけに頼っているから、完全なプロじゃない。アマチュアなんです。イタリアとかブラジルとか、プロスポーツがある国にはぼく以上に辛口のコメンテーターがいますよ。これはやっぱり国のスポーツ文化の大きな違い。

 厳しく言うのはもちろん、もっと日本サッカーによくなってほしいから、ぼくのためにも(笑い)。サッカー人気とメディア露出が落ちていけば、スポンサーも撤退する。そうするとぼくらの仕事も少なくなる。これで飯食ってるんだから、もしも単なる批判だったら、結局ぼくが大損するじゃない(笑い)?

 それから、日本人同士だとキツいことを言えないんです。 どのスポーツでも仲間意識が強くて、コメンテーターが本職じゃないのね。現場に戻りたい人が一時的にメディアで雨宿りしてるだけ。ジャーナリストやコメンテーターとして飯を食おうって人はほとんどいない。

 最終目標が現場だから、後のことを考えると言いたいことも言えないんですよ。就職活動ってゴマをするでしょ。厳しいこと言って仕事がくるはずないもの。

 みんなが監督を目指していて、何百人も順番を待っている。なんて効率の悪いことやっているんだろうと思うけど(笑い)。

 それぞれの国の文化があると思うけど、ぼくは勝っている国の文化をマネしないとダメだと思うのね。日本はすごく独特だけど、もしそれが正しかったらとっくに世界中がマネしているの。学ぶところは学ばないと、いつまでたっても勝てないよ。

 解説をするときに資料が出るんだけど、ぼくは実況者には資料が必要だけど、解説者には要らないと思っている。何が起きるかわからないから、起きたものを自分なりに伝えるっていうのが仕事。

 解説者は放送席の監督なの。ベンチに座って、ほめるだけ、騒ぐだけでは勝てないよ。サポーターだったら問題ないけどね。

 もちろん、キャラクターとしたらおもしろいよね。でも楽しいのと厳しいのは、やっぱり分けなくちゃいけない。もし、そのままベンチに座ってチームを指揮していたら、采配はふるえないからね。

※女性セブン2015年2月12日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン