2月1日、プロ野球12球団が一斉にキャンプインしたが、巨人は「ポスト原」を巡る派閥争いが激化しそうだ。
というのも、原辰徳監督の契約が今季いっぱいで満了となるからだ。2006年から昨年までの9年間で、優勝6回、日本一2回、Bクラスはたった1回という輝かしい記録を収めた名将は、今季限りでの勇退が濃厚とされる。
その後任を巡るさや当てが宮崎キャンプで始まるのは確実視されている。
「最有力候補は昨年臨時コーチとしてキャンプに参加し、話題をさらった松井秀喜氏です。しかしここにきて高橋由伸の名前が浮上してきた。今年から打撃コーチ兼任となり、選手よりも指導者に軸足を置いているように見える。
沖縄での自主トレから自らの練習時間を削ってまで、隠善智也、中井大介、辻東倫ら若手を熱心に教えていました」(巨人番記者)
反対に存在感が薄れているのが、高橋派と鎬を削っていた野手の一大勢力、阿部慎之助グループだ。
「昨年までは若手を引き連れて自主トレしていたのに、今年は長野久義、坂本勇人だけ。一塁コンバートで若手を見る余裕をなくしてしまった。もちろん将来の幹部候補生ですが、このコンバートで勢力を失うのは痛い」(スポーツジャーナリスト)
投手陣では「内海派」が盤石の体制を保っている。
「昨年のキャンプでは宮崎市内の旅館で投手会を開き、その様子がテレビ放送された。山口鉄也などの生え抜きだけでなく、杉内俊哉や大竹寛などFA組も参加していて、勢力の強さを印象づけた。
実はこの旅館は原監督が贔屓にしていることで知られる。さりげない原監督へのアピールかといわれています」(球団関係者)
※週刊ポスト2015年2月13日号