スポーツ中継で避けて通れないのが実況と解説。しかし、視聴者にしてみれば、むしろ邪魔になってしまうことも少なくない。50才公務員の男性はこう話す。
「野球解説のA。『気合が足りない』『私たちが現役の頃は…』が口ぐせ。ろくに取材してないから、技術論や選手心理も古臭いことこの上ない。ひと昔前の根性論に終始して、結局は自分の過去の栄光自慢。興奮した時に発作のように口をつく『カー●ッ』というダミ声が滑稽すぎて哀しくなる」
偉そうな解説もイラッとするが、お涙頂戴なエピソードを押し売りされるのも面倒くさい。43才の看護師はこんな苦言を呈する。
「毎年ひどいけど、とくに今年の箱根駅伝の解説は、選手の苦労話が多すぎた。聞くに堪えないので、音声はNHKラジオの金哲彦さんに変えたら、『観客のいない橋の上だと、選手は自分の足音が聞けて、ペースを再確認できる』と。
こういう選手にしかわからない状況、戦術や心理戦、テクが知りたいのに、テレビでは相変わらず『お母さんが…』。スポーツそのものがもつ人間ドラマと選手個人のドラマを混同しないでほしい。選手にも失礼だ」
※女性セブン2015年2月12日号