スポーツ

女子レスリングのビキニ化計画 五輪除外危機を経験のためか

 レスリングでは「シングレット」と呼ばれる体にぴったりした上下一体型の試合着がお馴染みだが、それを女子に関しては、「ビキニ」に変える案が浮上しているという。
 
 世界レスリング連合(UWW)は公式サイトの1月16日付の記事で、選手・審判のユニフォームを変更する案が浮上していることを明らかにした。デザインは未定としながらも、ネナド・ラロビッチ会長の「伝統的なシングレットは現在、ジムで一般的に着られてはいない。選手にもファンにも喜んでもらえる試合着に変えていきたい」とのコメントを掲載している。
 
 日本レスリング協会は「正式な通達は何もない」と答えるのみだが、「女性用の新ユニフォームは女性らしさを強調するため、上下セパレートのビキニスタイルや、背中の大きく開いたものが候補」(スポーツ紙デスク)とされる。
 
 ところが、このビキニ化案に選手たちは猛反発。レスリング大国の日本でも“人類最強”にして五輪3連覇中の吉田沙保里が反対派の先頭に立つ。『吉田沙保里 119連勝の方程式』(新潮社刊)の著書があるスポーツライター・布施鋼治氏がいう。
 
「レスリングは激しいタックルの応酬が醍醐味ですが、セパレートのビキニでは試合中にズレてしまう可能性が高くなる。そうしたリスクのある変更案に吉田選手は憤りを感じていて、レスリング担当記者に『絶対に嫌だ。採用されるなら引退する』と語っています」
 
 来年のリオ五輪のみならず2020年東京五輪の出場まで目指すと公言する無敵の王者に立ちはだかった「ビキニ」という難敵。所属チームを通じて吉田に見解を尋ねたが、「正式に決まっていないので、コメントは控えたい」とのことだった。
 
 吉田ならずとも選手から反発が出そうな今回の変更案はなぜ突如浮上したのか。
 
「レスリングは一昨年に五輪競技から除外される危機を経験しています。ビーチバレーが女子選手のパンツのサイド幅を7センチ以内にするといった規定まで設けて関心を集めたことなどを踏まえ、UWWが一般大衆にアピールする方策を探っているのでしょう」(布施氏)
 
 この競技で露出の多いユニフォームがファンに歓迎されるかは甚だ疑問。古代オリンピックの時代から続く競技が小手先の人気取りに走るのはいかがなものか。

※週刊ポスト2015年2月13日号

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン