2月1日、宮崎と沖縄でプロ野球12球団が一斉にキャンプインした。キャンプ生活でOBたちが口を揃えるのは、「遊んだ分、よく練習した」ということだ。
「弱かったけど練習だけはした。みんな1日200~300球は平気で投げていました」(安仁屋宗八氏)
「キャンプは自己主張の場。アイツには負けないと思ってノルマだけでなくその上まで投げた」(村田兆治氏)
「とにかく走った。毎日、外野をレフトからライトまで10往復以上はしていた。走って腰が痛くなった経験を誰もがしているはずです」(米田哲也氏)
巨人は遊ぶ時間すらなかったという。黒江透修氏は、「晩飯の後にミーティングがあったし、それが終わると素振りでした。ミーティングがないのは休みの前の日だけ。自由時間はほとんどなかった」と語った。
金本知憲氏が語る。
「毎日のメニューをこなすのに必死で、終わるとヘロヘロでした。休みの日に食事に行くくらいでしたね」
北別府学氏はこう呟く。
「今の選手は野球が目一杯で、その中に遊びや娯楽がないように思う。僕らの時代は、先輩みたいに飲みに行けるようになりたいと思ってやっていたけどなァ」
球界も社会と同じように、余裕と遊びをなくしてしまったのかもしれない。
※週刊ポスト2015年2月13日号