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過去最悪の国内空き家率13.5% 相続後に放置する人多いため

 最近、近所に空き家が増えた──そう実感している人は少なくないだろう。

 データがはっきり示している。総務省の「住宅・土地統計調査」(2013年)によれば、国内に約6063万戸の総住宅数のうち、空き家は約820万戸。2008年調査から63万戸も増え、空き家率は過去最悪の13.5%を記録した。実に「7軒に1軒が住人不在」という状況である。

 その要因は複合的だが、最大の原因は核家族化と都市部への人口集中である。親が田舎に、子供が都会に家を構えた場合、親の死亡時に子供は親が住んでいた家を相続する。だが、すでに都会の自宅を生活拠点としているから、田舎の家は必然的に空き家にせざるを得ない。

 需給バランスの問題もある。住宅の着工件数は過去5年で24.3%伸びているのに対して、その間の住宅購入者数は減り続けている(20.9%減)。住み替え需要で新築住宅に買い手がついても、それまで住んでいた住宅は空き家となっていく。

 そうして増殖する空き家に買い手や借り手がいれば問題ないが、不便な田舎や古くなった住宅の需要は低いために簡単には見つからない。更地にすれば倉庫や駐車場など非住宅用地として需要が期待される場合でも、その際には後述するように数百万円もの解体費用負担がのしかかってくる。

 さらに税制の問題が「空き家の増殖」を促進させる。『「空き家」が蝕む日本』(ポプラ新書)の著者で不動産コンサルタントの長嶋修氏が解説する。

「固定資産税には『住宅用地の特例措置』があり、どれほどボロボロであっても家屋が建っていれば課税額が更地の6分の1になる(200平方メートル超の土地の場合は3分の1)。

 高額の解体費用を負担しても買い手がつかなかった場合、それまでの6倍の固定資産税を払うことになってしまう。そのため空き家のまま放置する人が多い」

※週刊ポスト2015年2月13日号

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