女性の社会進出につれて女性皇族のキャリアプランも変容した。その先駆けが天皇の長女・黒田清子さんだ。学習院大学卒業後、山階鳥類研究所の非常勤職員として、公務をこなしながら勤務を続けた。働いて給与を得た初めての内親王だ。
彬子女王は英オックスフォード大で女性皇族として初めて博士号を取得し、その後は公募採用で立命館大学衣笠総合研究機構ポストドクトラルフェローに就任。2014年より京都市立芸術大学の芸術資源研究センター特別招聘研究員も務める。
「最近、彬子さまはご自身の留学体験を綴られた本を上梓されました。公務も数多くこなされ、以前にも増して積極的に皇室活動を行なっているように感じます」(宮内庁担当記者)
瑶子女王は学習院大卒業後、日本赤十字社に6年間勤務し、現在は「社会福祉法人友愛十字会」の総裁を務める。
英国留学中にSNS上で
「胸にヤモリの刺青入れたいんだけどなぁ~」
「好きな人がゲイ……。終わってる」
など「奔放発言」が物議を醸した高円宮家の長女・承子女王は日本ユニセフ協会に嘱託職員として勤務する。妹の絢子女王は城西国際大学大学院に在籍しており、現在はカナダの大学院に留学中だ。
しかし、眞子内親王と佳子内親王は大学卒業後に就職しないのではないかといわれる。神道学者の高森明勅氏が解説する。
「皇室内での地位において年齢は関係なく、天皇との距離で立場が決まります。天皇直系の内親王は、傍系の女王より社会的に重要な公務を担います。内親王が成人すると今回の佳子さまの例では宝冠大綬章を授与され、宮内庁の全幹部が出席する祝賀会が催されます。一方の女王は成人後、外で一人暮らしをされることもある」
皇室費用などを定める皇室経済法によれば、成年女王の皇族費(年間640万5000円)は内親王(915万円)の7割と決められている。
「紀子さまは、眞子さまも佳子さまも卒業後は公務に専念して、悠仁さまの助けになってほしいとお考えなのでしょう」(ベテラン皇室記者)
※週刊ポスト2015年2月13日号