文具は、いつの時代も子供たちの「憧れ」だが、心を躍らせた文具は世代によってガラリと変わる。1970年代は新種のペンが多数生まれた時代でもあった。1973年発売の『クーピーペンシル』は、今も変わらぬロングセラーだが、発売当時の人気はすさまじく入手困難だった。
「まるでチョコレートみたいで、小学校低学年の時ににおいをかいでみた。まったく甘いにおいはしませんでしたが(苦笑)」(43歳会社員)
最近はすっかり見なくなったが、ロケットペンシルは小学生たちの必須アイテム。芯をリレー式に押し出すスタイルで、まだシャープペンシルを持たせてもらえない子供に「カッコいい」とウケた。
1974年には日本初の蛍光ペンである『暗記ペン』も登場。教科書やノートをカラフルにマーキングできるようになり、学生たちがこぞって買い求めた。
当時は「大人の筆記具」だったシャープペンでは、現在にも引き継がれている画期的な機能が生まれた。1977年の『シャーボ』は、右に回すとシャープペン、左に回すとボールペンという斬新さがウケ、発売4か月で80万本と爆発的に売れた。
1978年の「フレフレ2020」は、ペン本体を振るだけでシャープ芯がどんどん出てくる機能が売りだった。現在では珍しくないが、当時は最新テクノロジーともてはやされた。
※週刊ポスト2015年2月13日号