続々登場している、受験生応援グッズに人気が集まっている。
「コアラのマーチ」は、睡眠中も落ちないコアラにあやかり、“ゲン担ぎ”に使っているという消費者の声から縁起のいいコアラが高確率で出現する『めざせ合格!コアラのマーチ』(108円/ロッテ)を商品化。
さらに、『キットカット』に「キット、願い叶いますように」など15種類の言葉をチョコに刻印した『ネスレ キットカット ミニ 受験メッセージパック』(540円/ネスレ日本)が登場。また、個包装に、連携する20大学からの応援メッセージを記した『紅白パック』(540円/ネスレ日本)も。
こうした受験生応援お菓子の人気を、「草食男子」という言葉の提唱者でマーケティングライターの牛窪恵さんはこう分析する。
「必勝フードは、定番商品をひとひねりしているものが多いのですが、なじみの商品のアレンジ版は、消費者からすれば安心感や懐かしさがあります。また、スーパーなど販売する側は、定番の安定感に加え、この時期だけという話題性もプラスされるため棚に並べやすいんです」
好調の理由には、増税も関係しているとも。
「消費税が8%になり、消費者の多くは、日常と非日常を明確に分けるようになりました。
普段の生活費は、ギリギリまで削って質素に過ごすけれど、イベントや、何かいいことがありそうな時には大きく使う。そんな“メリハリ消費”が顕著になったんです。
そして、日本人は“ゲン担ぎ”が好きなので、神社やパワースポット巡りが人気のように、幸せになれそうなものに対しては財布のヒモが緩む傾向にあります。必勝フードもそのひとつといえます。
特に、今の受験生の親の多くは、消費に慣れているバブル世代。縁起物への出費を惜しむとは思えません」(牛窪さん・以下同)
縁起物というならば、御利益はあるのだろうか。
「親が必死にお百度参りをして手に入れたお守りは、子供には“重い”と感じられるかもしれませんが、これなら重荷にならない。“このヒネリが面白いね”と、笑ってリラックスできるなど、必勝フードはいい後押しになる。
受験は、体調の管理や“きっとやれる”といった精神的な落ちつきに左右されるもの。これらの商品は心の支えになると思います」
※女性セブン 2015年2月19日号