ライフ

『中国嫁日記』作者 フィギュアで経営危機を立て直すと決意

価格設定に苦労した月さんフィギュア

 中国人妻・月(ゆえ)さんとのカルチャーギャップ満載な夫婦生活を描いた人気エッセイマンガ『中国嫁日記』(KADOKAWA エンターブレイン)作者の井上純一氏が、新ブログ『月サンは困ってます』で会社の金銭トラブルに巻き込まれたと告白した。「80万部作家なのに無一文」だと笑う井上氏に、経営危機に直面している会社の再建計画についてきいた。

 * * *
――社長をつとめる銀十字社の今後の事業計画を教えてください。

井上純一(以下、井上):1月はピンチでしたが、なんとか山を越えました。今のところは『中国嫁日記』4巻が出て一息つき、月のフィギュアと同人誌総集編の再販が命綱です。

――昨年9月に会社のお金が無いと気づいた後、同人誌の再販はすぐ決めたのですか?

井上:委託販売しているショップ「とらのあな」さんから提案されて、初めてその方法に気づきました。同人誌関係からのお金を会社の資金繰りにあてることは想定していなかったんです。会社を回すには、せめて売れそうな仕掛品、版権をとったのに製造していない有名ブラウザゲームの人気キャラクターフィギュアなどを販売すること以外は思いつきませんでした。そのための資金をつくろうと考えていたんです。

――同人誌の再販と同時に発表された月さんフィギュアの販売目標は?

井上:「とらのあな」さんのご厚意で販売数を3000個まで増やしてもらっています。普通なら1500個なんです。でも、多めだというのに財政的なピンチはあまり変化しない。というのも、金型代金を甘く見積もっていたらしくて値段のつけ方を間違えたんです。

――かつては同人フィギュアの制作をされていたんですよね?

井上:これまで、同人フィギュアも含めて値段をつけていたのはフィギュア部門担当スタッフだったんです。今、そのスタッフはいないから、自分でやらないとならない。会社の仕事はマンガ部門もフィギュア部門もすべてできると自負していますが、値つけだけはやったことがありませんでした。

「とらのあな」の店舗特典として『中国嫁日記』4巻におまけでつけたマンガに「月さんフィギュアは1500個売れないと赤字」と描きましたが(※誌面に1700個とある箇所は誤植)、実際には1500個だとまだ100万円くらい損しています。

――月さんフィギュアの値段は、どうやってつけたんですか?

井上:自分がユーザーだったら5000円以上は出さないなという感覚で値段をつけちゃったんです。同業者が呆れて、原価を入れると販売価格が出る計算式を教えてくれました。それを使って損益分岐点をみて、値段を導き出すという使い方まで。次回からは間違えません!

――フィギュアについても、これまでと同じような売り方では事業再建と継続に追いつかない可能性がありますね。

井上:これまではフィギュアの宣伝は自分のブログでしてきませんでした。マンガを描くことで稼ぐのに専念していたので。でも、そうも言っていられないのでフィギュアについてもブログで積極的に触れていきます。フィギュアを作る過程、傾いた会社をなんとかたて直していく過程をマンガにしていくしかないという状態に追い詰められたんです。

関連記事

トピックス

2024年末に第一子妊娠を発表した真美子さんと大谷
《大谷翔平の遠征中に…》目撃された真美子さん「ゆったり服」「愛犬とポルシェでお出かけ」近況 有力視される産院の「超豪華サービス」
NEWSポストセブン
新政治団体「12平和党」設立。2月12日、記者会見するデヴィ夫人ら(時事通信フォト)
《デヴィ夫人が禁止を訴える犬食》保護団体代表がかつて遭遇した驚くべき体験 譲渡会に現れ犬を2頭欲しいと言った男に激怒「幸せになるんだよと送り出したのに冗談じゃない」
NEWSポストセブン
警視庁が押収した車両=9日、東京都江東区(時事通信フォト)
《”アルヴェル”が人気》盗難車のナンバープレート付け替えで整備会社の社長逮捕 違法な「ニコイチ」高級改造車を買い求める人たちの事情
NEWSポストセブン
地元の知人にもたびたび“金銭面の余裕ぶり”をみせていたという中居正広(52)
「もう人目につく仕事は無理じゃないか」中居正広氏の実兄が明かした「性暴力認定」後の生き方「これもある意味、タイミングだったんじゃないかな」
NEWSポストセブン
『傷だらけの天使』出演当時を振り返る水谷豊
【放送から50年】水谷豊が語る『傷だらけの天使』 リーゼントにこだわった理由と独特の口調「アニキ~」の原点
週刊ポスト
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
《英国史上最悪のレイプ犯の衝撃》中国人留学生容疑者の素顔と卑劣な犯行手口「アプリで自室に呼び危険な薬を酒に混ぜ…」「“性犯罪 の記念品”を所持」 
NEWSポストセブン
フジテレビの第三者委員会からヒアリングの打診があった石橋貴明
《離婚後も“石橋姓”名乗る鈴木保奈美の沈黙》セクハラ騒動の石橋貴明と“スープも冷めない距離”で生活する元夫婦の関係「何とかなるさっていう人でいたい」
NEWSポストセブン
原監督も心配する中居正広(写真は2021年)
「落ち着くことはないでしょ」中居正広氏の実兄が現在の心境を吐露「全く連絡取っていない」「そっとしておくのも優しさ」
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
〈山口組分裂抗争終結〉「体調が悪かろうが這ってでも来い」直参組長への“異例の招集状” 司忍組長を悩ます「七代目体制」
NEWSポストセブン
休養を発表した中居正広
【独自】「ありえないよ…」中居正広氏の実兄が激白した“性暴力認定”への思い「母親が電話しても連絡が返ってこない」
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(時事通信フォト)
「うなぎパイ渡せた!」悠仁さまに筑波大の学生らが“地元銘菓を渡すブーム”…実際に手渡された食品はどうなる
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(左/時事通信フォト)
広末涼子の父親「話すことはありません…」 ふるさと・高知の地元住民からも落胆の声「朝ドラ『あんぱん』に水を差された」
NEWSポストセブン