プロ野球が春キャンプに突入し、選手たちがどのようなオフを過ごしてきたかが明らかになってきた。4年連続のリーグ優勝、3年ぶりの日本一奪還を目指す巨人で、“本気度”が高いと評判なのが一塁にコンバートされた阿部慎之助だ。
コンバートによる効果は懐疑的と指摘する声が多いことを気にしてか、批判をはね飛ばすような気合いの入りよう。年明けにグアムで行なった自主トレでは早出練習を初敢行し、プロ入り以降一切やらなかった器具を使った筋トレにも挑戦して肉体改造に励んだ。
昨年末にニューヨークで対談した松井秀喜氏から「一年でも長く現役でいてほしい」と激励されたことが筋トレ解禁を決意させたという。ここ数年の恰幅の良さはウェイトトレーニングによるものではなく、ただ太っていただけということがわかったが、それはさておき、キャンプでは見違えるほど引き締まった体で一塁の守備練習でもキレのある動きを披露している。
今年の成績がダメなら原辰徳監督が本気で引退勧告するとされており、まさに背水の陣だ。全体練習後も居残り特打に打ち込む35歳のベテランの姿勢は、若手らの励みとなっている。
気がかりは捕手への未練をうかがわせることだ。
「キャンプ2日目で早くも“ブルペン入り”しました。村田修一とともに下半身強化のために臨んだ投球練習中に、村田の球を受けるべくバッテリーを組んだ。遊びとはいえ非常に楽しそうに女房役を務める姿を見ると、やっぱり未練があるんだろうなァと思いましたよ」(巨人番記者)
※週刊ポスト2015年2月20日号