「彼はカンベン! チームメイトもみんなイヤがってるよ。絶対に応援しないでくれ!」
アメリカで最も人気のあるスポーツ、アメリカンフットボールのリーグ(NFL)優勝決定戦「スーパーボウル」が2月1日に行なわれた。
全米視聴率は過去最高の49.7%をマーク。その試合直前、出場チーム「シアトル・シーホークス」の主力選手オクングは身長196cm、体重141kgの巨体を揺らして冒頭のように顔をしかめた。
「彼」とは、日本のお笑いコンビ「オードリー」の春日俊彰のことだ。
春日は相方の若林正恭と共に日大二高アメフト部出身。2010年から日本テレビ系列でNFLの試合結果などをレポートする『NFL倶楽部』のMCを務めている。
なぜ選手が春日を嫌うのか。それは、春日が応援するチームは負けるというジンクスがファンやNFL選手の間でよく知られているからだ。
春日は2010年シーズン開幕前、前評判の高かった強豪カウボーイズを推した。すると、チームは開幕から泥沼の連敗を続け、エースQBトニー・ロモが骨折するなどの不運に見舞われてプレーオフ出場を逃す。
その後、春日は応援チームをコロコロと変えるが、それら4チームもすべてプレーオフで敗退した。これが“呪い”の始まりだった。続く2011年は前季王者パッカーズに狙いを定めるもスーパーボウル出場を逃す。
2012年は特製Tシャツまで作って応援したジャイアンツが、前季王者にもかかわらずプレーオフにさえ出場できなかった。2013年にいたっては、下馬評で断然有利とされたブロンコスがスーパーボウルで大敗を喫したのだ。
そして迎えた今年のスーパーボウル。春日は前述のシーホークスのジャージを得意気に身につけてスタジアムに駆けつけた。
その結果、試合終了直前に勝利を確信したはずのシーホークスがまさかのインターセプトで優勝を逃した。
昨年のサッカーW杯では同様の「ミック・ジャガーの呪い」が話題になったが、屈強なNFL選手をも震え上がらせる春日の存在感はもはやワールドクラス!?
※週刊ポスト2015年2月20日号