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「イスラム国は空爆で幹部死亡し作戦能力落ちている」の分析

「木っ端微塵となったビル、破壊された車、不発弾が至る所に残っていた。しかし、クルド兵は『コバニに自由を』と叫びながら空に発砲し、街で話した人たちは今後の行方にポジティブな思いを馳せていた」(現地入りしたAFP通信記者)

 1月末、米軍とクルド人部隊は、シリア北部の街・コバニをイスラム国から奪還したと宣言。数km先にある国境のトルコ側では、コバニを脱出した数千人もの難民が歓喜の声をあげた。

 4か月に及ぶ激戦の末、多くの建物が爆撃され、コバニの街は瓦礫で埋めつくされた。しかし、戦闘員や武器、石油などの物流の要衝にしようと兵力を注ぎこんでいたイスラム国にとっても、今回の敗退は大きな打撃となった。

 コバニ奪還と同日には、イラク中部のディヤラ州でイラク軍がイスラム国を制圧。また、先月末からイラク北部の油田都市キルクークへイスラム国が侵攻するも、2月4日に撃退された。

「昨年12月にイスラム国ナンバー2で軍事部門トップの司令官が米軍の空爆で死亡したほか、幹部クラスも相当数死んでおり、軍事作戦能力が落ちていると見られる」(軍事ジャーナリスト・黒井文太郎氏)

 残虐非道を繰り返し、インターネットを利用して世界に脅威を植え付けようとするイスラム国。しかし、その包囲網は着実に強化されている──。

※週刊ポスト2015年2月20日号

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