キャンプインからしばらく経ち、今年ペナントレースへ向けてプロ野球各球団の新戦力が気になる季節になった。阪神タイガースでは、上本博紀、隼太ら若手の台頭が著しい。しかし、球団創設80周年という節目の年を優勝で飾るキーマンとして南信男球団社長が名指ししたのは西岡剛と福留孝介のメジャー経験者2人である。
成長著しい上本と二塁を争う西岡は「ダメなら控え」と公言し、沖縄・宜野座のキャンプには体重を6キロ絞り込んだ“本気モード”で現われた。
「痩せてブカブカのスーツを着込み、右手はバットスイングで作った血豆だらけ。自主トレ先のハワイで遊んでいるとの疑惑を払拭しました」(阪神番記者)
福留への期待には理由がある。広島に復帰した黒田博樹との相性が抜群だからだ。中日時代の対戦成績は3割3分とカモにしてきた現役最強の“黒田キラー”。2年連続、クライマックスシリーズで対戦した広島対策として期待がかかる。
不安材料は助っ人陣の“不調”だ。昨季はタイトルホルダーばかりとなった外国人カルテットにやる気が見えない。
メッセンジャーは体型が大きく変わり、脅威の腹回りにぼさぼさヘアでキャンプイン。ゴメスは母国・ドミニカでパスポートを盗まれ、さらにビザの発給ミスで来日できず、2年連続キャンプ合流が遅れた。マートンはキャンプ2日目の練習中に筋挫傷で早くもリタイアし、今季限りで契約が切れてメジャー流出が危惧されている呉昇桓は、「省エネモード」でスロー調整。助っ人への依存度が高いだけに虎ファンの心配は募る。
※週刊ポスト2015年2月20日号