キャンプが始まり、今シーズンが始まったプロ野球。ケガからの復帰が望まれる選手の仕上がりは、最も気になることのひとつだろう。沖縄・北谷の中日キャンプで、谷繁元信選手兼任監督から「今いる選手の中で(一番)よかった」とその名を挙げられたのが吉見一起である。2009年と2011年に最多勝を獲得したエースも、右ひじ痛に悩まされてここ2年間はわずかに1勝止まり。だが今季は復活の兆しを見せている。
本人も手ごたえを感じているようで、通常は故障や不調選手が行く読谷(二軍キャンプ)ではなく、一軍キャンプを昨年の球団納会で首脳陣にアピール。開幕投手にも名乗りを上げた。
その自信を支えるのが、昨年から取り組むフォーム改造だ。昨年10月、山本昌や岩瀬仁紀が通う鳥取のトレーニング施設を訪問し、自らのフォーム改造に着手した。できるだけ体の前で球をリリースしていた投球から球持ちを抑えて鎖骨で投げるイメージを重視する投げ方に挑戦している。肘の負担が軽減したので投げ込みもできるようになり、調子が良くなったという。
逆に中日ファンが気を揉んでいるのが「岩瀬は今年も抑えをやるのか」ということ。昨年400セーブを達成した絶対的守護神もすでに40歳。キャンプ初日は他の投手陣が次々とブルペン入りするなか、1人だけ回避した。
「昨年は左肘の故障で戦線離脱しているだけにさすがに“勤続疲労”は隠せない。代わりに守護神候補として期待されているのが2013年のドラ1の福谷浩司。当面は岩瀬との2枚看板になると見られています」(中日番記者)
※週刊ポスト2015年2月20日号