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松岡弘「長嶋さんは1球ごとにストライクゾーンが違う」の意

 松岡弘氏は対巨人通算34勝。同い年の平松政次氏と並び「巨人キラー」として知られた右腕である。V9戦士に話を聞くと、「苦手投手」に松岡弘の名を挙げるV9戦士は多かったが、弱小球団のサンケイ、ヤクルトで気を吐き、巨大勢力に対抗した男は、V9時代の巨人をどう見ていたのか。

 * * *
 1971年、巨人はV7を目指すシーズンでした。情けない話ですが、「こりゃ勝てないわ」と思ったものです。特に厄介なのが長嶋さんでした。ストライクゾーンがどこにあるか分からないんです。

 現役時代の長嶋さんは文句なしに超一流でしたが、僕たちが考えていることよりさらに上のことを考えている。よく「ひらめきの人」といわれますがとんでもない。非常によく勉強しているんです。

 まず過去のデータから、相手がどこへ投げてくるかを1球ごとに読んでいた。つまり1球ごとに長嶋さんのストライクゾーンは違う。決め球としてアウトコースに外しても、長嶋さんにとってその時のストライクになっていると、泳ぎながらでもホームランにしてしまう。そうなったらもうお手上げですよ。

 これは伝聞ですが、長嶋さんは大学時代からたくさんのメモを残していて、その長年の積み重ねが全部頭の中に入っているとか。だから、時としてとんでもないプレーが飛び出すんです。天覧試合でのホームラン(※)も僕は狙って打ったと思う。

(※)1959年6月25日、昭和天皇が来場した後楽園での巨人対阪神戦で、長嶋は9回裏にサヨナラ本塁打を放った。

※週刊ポスト2015年2月20日号

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