1973年に大ヒットした人気アニメ『キューティーハニー』の主題歌にもあるように、かつて日本人女性が憧れるスタイルは「小さなお尻」だった。しかしそれから40年余、時代は変わった。近頃の若い女性たちは、お尻を大きくする「美尻整形」に殺到しているという。美容整形外科を専門とする東京ジェイズクリニックの大賀勇人院長がいう。
「3~4年前から、お尻をもっと大きく、美しい形にしたいと当院を訪れる方が増えています。当時は2か月に1人程度でしたが、今ではひと月に4人は来院されている。昔のお尻の整形といえば、脂肪吸引をはじめとする“小さくする”施術が中心でしたが、隔世の感があります」
お尻を大きくする美容整形術は、総称して「豊尻(ほうこう)」と呼ばれる。相談に来る女性たちは「20代が多い」(前出・大賀院長)という。
流行の背景にはハリウッドセレブの影響がある。最近、人気を集めるハリウッド女優たちにはボリュームのあるヒップの持ち主が多い。ジェニファー・ロペス、ビヨンセ、パリス・ヒルトン……。とくに「元祖ビッグ・ヒップ」と呼ばれるジェニファー・ロペスは当世の「ナンバーワン・セックスシンボル」と讃えられている。
そのブームがとうとう日本にも上陸したということらしい。飛びついたのは「美貌」を商売道具にする女性たちだ。
「豊尻整形を受ける層は、高級クラブやキャバクラのホステスなど水商売の方が2割ほど。ある風俗嬢の方は、術後に指名客が増えたので“もっと大きくしたい”といって再来院されました。名前は明かせませんが、あるグラビアアイドルもご相談にいらっしゃいました」(前出・大賀院長)
※週刊ポスト2015年2月20日号