ハーバード大学公共政策大学院ケネディスクールによる世界の指導者の認知度調査結果が発表され、国際的に最も認知度が高く、指導力が評価されているのは中国の習近平国家主席だったことが分かった。同スクールに在学する30か国の学生を対象としたものだが、日本人学生の習氏への評価は最低で、日本では習氏の強硬な対日政策に批判的な声が強いことを改めて印象づける結果となった。
ケネディスクールのホームページによると、習近平氏の認知度は10点満点中9.0点と最高点を記録した。
2位はロシアのプーチン大統領で8.7点、インドのモディ首相が8.6点で3位。4位は7.0点のズマ・南アフリカ大統領だった。
調査対象となった学生の国籍は30か国にわたっており、アジアは日本、中国、韓国など12か国と、他地域と比べて最も多い。アフリカがエジプト、南ア、タンザニアとケニア。南北米大陸では米国やカナダ、ブラジル、チリの4か国。欧州は英仏独など8か国。オセアニアはオーストラリアとニュージーランドの2か国だ。
習氏は日本を除く各国からまんべんなく票を集めており、知名度が高いことが確認された。
また、指導者として力量に関する評価でも、習氏はトップで、点数的には10点満点中7.5点。2位はモディ氏で、3位がドイツのメルケル首相。4位はズマ氏だった。
習氏は指導者としての評価でも世界中からの学生から票を集めたが、唯一の例外は日本人学生で、習氏に投票したのはゼロと、日本人の習近平嫌いが如実に示された格好だ。この背景には2012年夏に中国全土で吹き荒れた反日暴動に加え、その後の習氏の対日歴史認識や沖縄県尖閣諸島の問題などで、悪印象が決定的となったためとみられる。
このほか、イギリスのオンライン世論調査会社「YouGov」による「世界で最も称賛に値する人物」調査でも、習氏は3位に入っている。1位は米マイクロソフトの創業者、ビル・ゲイツ氏で、2位はオバマ米大統領。女性の1位は米女優のアンジェリーナ・ジョリーだった。
調査対象は23か国・地域の2万5000人で、このなかに日本人が含まれているかどうかは明らかではない。