大卒サラリーマンの場合、就職前に国民年金を支払っていないケースもあるだろう。22歳で働き始めて60歳で退職すると加入期間は38年で、基礎年金を満額受給できる40年には2年足りない。
それより先に考えるべきは、国民年金の「任意加入」制度である。毎月約1万5000円の保険料を支払うことで「加入期間トータル40年」まで増やすことができる仕組みだ。
大卒後38年間にわたって年金に加入してきた人が追加で「2年分」の保険料を払う場合で、平均寿命まで生きれば受給額との差し引きで約30万円の得になる。
国民年金に任意加入するなら、必ず加入しておくべきなのが「付加年金」だ。
国民年金の保険料に追加して毎月400円払うと、将来の受給額(年額)が〈200円×加入月数〉増えるという制度で、受給額が少ない国民年金加入者にとっては最も利用価値の高いものだ。「年金博士」として知られる社会保険労務士の北村庄吾氏が話す。
「2年間受給すれば払った追加保険料の元がとれ、後は長生きすればするほど得になります。あまり知られていませんが、年金制度の中でも一番お得な仕組みといっていいでしょう」
※週刊ポスト2015年2月27日号