巨人のキャンプに「球界の黄門様」こと金田正一氏がやってきた。原辰徳監督に金田氏が注目の阿部慎之助の一塁コンバートについて聞いた。
金田:何といっても今年の目玉は阿部の一塁コンバートじゃな。阿部は本当に本心から納得しているのか?(と睨む)
原:もちろんです。慎之助とも、秋のキャンプの時点で新しいチームを作る際に2人で納得がいくまで話し合いました。それが新チームのスタートラインだと思っていましたから。私は99%捕手に戻す気はない、本人も戻るつもりはない、という堅い約束からスタートしたんです。
捕手陣の突然の故障など、予期せぬ事態は絶対にないとはいえないので100%とはいえませんが、99%ない。だから慎之助はこのキャンプにキャッチャーミットを持ってきていない。こちらが中途半端な気持ちでは、彼に対して失礼に当たります。
金田:阿部に葛藤はなかったのか。
原:慎之助のことに関しては彼のオヤジさん以外では僕が一番分かっていると思っています。その僕が話をしっかりと聞いて結論に至った。一塁にコンバートしたのは僕の勝負でもありますから、結果が出なければ僕が叩かれます。それは覚悟していますよ。
金田:阿部の抜けた後の正捕手は誰になるんだ。
原:やはりまずは小林(誠司)。ただ小林だけではまだ荷が重すぎる。そこで、ちょうどFA宣言をした相川(亮二)にぜひ来てほしいと気持ちを伝えたら応えてくれた。どちらがレギュラーになるかはまだわかりません。ただ理想だけでいえば、この1年の中で「小林流」といえるような捕手になってほしいですね。
※週刊ポスト2015年2月27日号