演歌が冬の時代といわれて久しいが、そんななか、取材オファーが殺到し、今最もアツい注目を集めるひとりの歌手がいるのをご存じだろうか。歌の力とその人柄に惹かれたファンは全国で急増中。そして、それとともに露出も激増。ラジオ出演、新曲発売イベント、ファンイベントを次々こなすこの人の72時間にグググィッと迫った。
「ラジオで聴いた歌声にまず惚れて、それからコンサートで見た目と人柄にもっと惚れちゃったの」
「もう80才間近のおばあちゃんだけど、惠ちゃんに会えた今が人生でいちばん幸せ!」
演歌界の貴公子“惠ちゃん”こと、山内惠介の人気がすごいことになっている。関連グッズは完売し、新曲CDも予約が殺到。600人とのツーショット撮影会は、ノンストップで4時間にも及んだ。さぞかしお疲れかと思いきや、
「充実感しかないです。ファンのかたに触れ合うことで元気をいただけるんですよ。ドキドキされている鼓動が伝わると、こっちもときめいちゃいます(笑い)。ぼくにとってファンは、同じ夢を追いかけてくれる家族そのもの。ファンがいなければぼくは存在しないんですから」
とくにここ数年、知名度も急上昇し多忙を極めるようになったが、愚痴は一切こぼさない。これも売れない冬の時代を経験したから、と山内。
「スカウトされてデビューまでが順調だったので、一時、勘違いしていたんでしょうね。ヘンに焦って、歌に感情を乗せられなかったし、後輩が売れることも気になってしかたなかった。歌手をやめようかなとも思いました。でも、そんな売れない時代でも、ついてきてくれるファンがいたのに、そのかたにとても失礼なことだなって。歩みの幅はみんな違うんだから、ぼくは自分の歩幅で頑張ればいいんだって思えたんです」
昭和をほとんど知らないはずの山内だが、昭和を生きてきたファンは、彼の歌声に癒され、涙するという。
「舞台や映画に出演させていただいて演技の楽しさを知ってからですね。水森英夫先生から“表現力が増したな”とやっと褒めていただきました(笑い)。歌は譜面通りに完璧に歌えばいいものじゃなくて、お客様を感動させられるかどうかが大事。ファンのかたがお友達を連れてきても自慢できるように、一歩一歩、歌を届けていきたいです」
演歌界の貴公子は今日もどこかで幸せを届けている――。
※女性セブン2015年3月5日号