昨年12月5日号の週刊ポストのグラビアで35年ぶりのビキニ姿を披露し話題を集めた大場久美子。1960年1月6日生まれ。埼玉県出身。1977年に「1億人の妹」というキャッチフレーズで歌手デビューし、ドラマ『コメットさん』で大ブレイク。1979年、武道館コンサートで「女優の世界にお嫁に行きます」の言葉を残してアイドルを卒業した。そんな彼女にアイドル時代をふり返ってもらった。
* * *
実は13歳で子役としてデビューしました。17歳で『コメットさん』に出演してからたくさんお仕事をいただいて、無我夢中でした。ピーク時はレギュラー番組が7本。特に年末は特番が重なるので、プロライダーが運転するバイクの後ろにまたがって都内を飛び回りました。
土日も地方で営業活動です。ファンが殺到するため、九州のイベント会場からタクシーで東京に戻ったことも。大阪のデパートでのサイン会にファンが詰めかけて帰れなくなったので、冷凍車に乗り込んで脱出したこともありました。
帰宅してもセリフを覚えたり、イベント用のサイン色紙を書いたりして寝る暇がないんです。1週間で3000枚の色紙を書いたこともあります。3日間の睡眠時間が3時間なんてこともザラでした。
でも、マネージャーに内緒でこっそり西城秀樹さんのコンサートに行ったことがあります。客席で思わず「ヒデキー!」って叫んだら、周りのお客さんにバレてしまって……。親衛隊みたいな人たちに取り囲まれて、どうしようかと思ったら、「ヒデキをよろしくね」とお願いされました(笑い)。
引っ込み思案で人と会話することが苦手だったので、同期のアイドルとはほとんどお話ししたことがなかったんです。楽屋ではいつもひとりで読書や編み物をしていました。マネージャーから「同期にライバル心を持つくらいじゃないとダメだよ」とよくお説教されていたなぁ。
仲が良かったのは、堀越学園で同級生だった榊原郁恵ちゃんと石野真子ちゃん。仕事場で会うたびに会話が弾み、まるで放課後のような雰囲気になりました。
※週刊ポスト2015年2月27日号