観光庁によると、2014年の訪日中国人は過去最多の240万人。前年比83%アップという驚異的な伸びを示した。今年の春節は前年の2倍という予測もある。
円安の追い風だけでなく、昨年10月に免税対象品が拡大され、5001円以上50万円未満の買い物で消費税が免除されるようになったことも大きい。かつては一部の富裕層が中心だった訪日観光客が、中間層に拡大している側面も見逃せない。
全国に免税店を展開するラオックスは、総額10億円、総数2万の福袋を全16店舗で展開。高級腕時計などが入った888万8888円の福袋も8つ用意し、年に一度の“正月商戦”(中国の正月「春節」は2月)に備えた。中国人観光客のお目当ては東京だけではない。
「明日から札幌に行って、そのあと京都見物。帰国は大阪の関西国際空港から」(広州から来た50代女性)
東京~富士山~京都をめぐるツアーは「ゴールデンルート」と呼ばれ人気絶大。大手旅行代理店によれば、この時期、京都の宿はほとんど中国人で埋まっているという。
「最近は『昇龍道(ドラゴンルート)』といって、能登半島を龍の頭に見立て、白川郷や名古屋城、伊勢神宮をめぐる企画が人気です」(大手旅行代理店)
※週刊ポスト2015年3月6日号