インターネットを普段から利用している人であれば、「YouTube」の名を聞いたことのない人はほとんどいないだろう。最大手の動画投稿サイトは、健全・安心を売りの一つとして急成長を遂げてきた。その中で、セクシー動画がひっそりと、しかし大量にアップロードされている。
YouTubeには動画投稿の規約がある。
〈ポルノなどの露骨な性的コンテンツは許可されません。フェティッシュを含む動画は、問題となる行為の過激度に応じて削除されるか、年齢制限を設けられます〉
ただし毎日、世界中から無数の動画がアップロードされるから、それらをすべて人力でチェックすることは不可能に近い。ITジャーナリストの井上トシユキ氏がいう。
「削除の仕組みは、視聴者による違反動画の報告に加えて、画像解析プログラムを利用していると聞いています。アップロードされる動画のデータを読み込み、肌色の割合が数値で出される。それが一定量を超えると『性的コンテンツの可能性あり』として報告が上げられて人がチェックし、違反動画なら削除されます」
AVは肌色が多いので、削除対象になりやすい。なかには肌色の割合がかなり多いと、公開されないまま削除されるケースもあるという。しかし、画像解析だけではチェックは完全とはいえない。井上氏が続ける。
「昔のドラマや日活ロマンポルノのような作品は削除されていません。着衣でのセックスシーンが多い、モノクロ動画であるなどの理由から肌色が検出されにくいのでしょう。ロマンポルノも規約に照らし合わせれば削除対象ですが、消しきれていないのが実情です」
※週刊ポスト2015年3月6日号