夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せられたのは、ご主人(50歳)が建設会社勤務の奥様(39歳)。ご主人は高校生の息子がいるバツイチ、奥様は初婚です。
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息子さんは前の奥さんと暮らしています。父親ですから、時々、息子さんと会うのは仕方ないんですけど、許せないのは前の奥さんとも会っていること。しかも平気な顔で私に「今日、会って食事してきた」と話すんです。「久しぶりに会うと、話が弾むよなぁ。いや、だからって、やましいことはしてないから。神経質になるなよ」。私はその無神経さに呆れてるの!
前の奥さんとの離婚理由は「結婚前は最高に相性がいいと思ったんだけど、一緒になったら合わないことが分かったんだ」。そこでやめておけばいいのに、フォローのつもりか、「お前は違うぞ。一緒に生活してて空気みたいで居心地がいい。結婚前は相性がよくないと思ってたのに、不思議だよなぁ」。
不思議なのは、それでフォローできてると思ってるアナタの頭よ! 私は相性がいいと思ってたのに、アナタはそうじゃなかったのね? 何で結婚したの!
この前も、前の奥さんのエピソードを語り始めたので「アナタ、結局、前の奥さんの方がいいんでしょ」。悔しさで涙ぐむと、私をグッと抱き締め、「そんなことない! 前妻は文字通り前菜なんだ。お前がメインディッシュだよ」。
上手いフォローのつもりなんでしょうけど、それでフォローできてると思えるのが不思議。私、言い返してやりました。「私がメインってことは、デザートは誰?」「……」。ちょっと、そこで黙り込まないでよ!
※週刊ポスト2015年3月6日号