視聴率不振に悩むフジテレビが「打倒!ミヤネ屋」を合言葉に俳優の高橋克実と安藤優子による司会で、立ち上げるのが2時間の長尺情報番組『直撃LIVE グッディ!』(3月30日スタート・月~金曜午後1時55分~)だ。
「制作費はほかの情報番組と比べても破格です。一説には、1日当たり1000万円ともいわれています。2時間の情報番組で500万円以上かける番組なんて、そうそうありませんからね。フジの業績低迷が続いているなかで、こんなに金を掛けて大丈夫なのかと心配になってくるほど」(テレビ局関係者)
番組MC陣の出演料もこのご時世にしたらかなりの額が提示されているという。
「安藤のギャラも、年間3億円と言われる『スーパーニュース』と比べたらだいぶ抑えられたが、それでも充分な額が支払われるようだ」(前出・テレビ局関係者)
今回、フジテレビが『直撃LIVE グッディ!』を立ち上げた背景には、これまでのバラエティー一辺倒だった編成戦略の大幅見直しを迫られたからだ。今後は昼帯を情報番組中心の編成に模様替えしていく動きがあると、ある制作会社幹部は明かす。
「『直撃LIVE グッディ!』はフジ再生するための第1弾です。実は、秋にも『直撃LIVE グッディ!』を2時間構成からお昼の12時から16時までぶち抜きの4時間構成に鞍替えすべく作業が進められているんです。スポンサーなどの関係で枠移動が難しい『ごきげんよう』などはコーナーとして扱うという話も出ています」
『笑っていいとも!』の後枠である『バイキング』は4月からは、坂上忍が全日司会をすることが明らかになったばかり。とはいえ、坂上の抜擢が、視聴率一桁台が続くこの番組の起死回生の策に果たしてなるのか?という疑問の声は少なくない。
「いくら坂上をメインに据えたとしても、どう逆立ちしても日テレの『ヒルナンデス』に勝つのは相当難しい。『ヒルナンデス』の次は、そのまま『ミヤネ屋』に視聴者を持っていかれてしまう。だったら4時間ぶっ通してワイドショーを放映して他局から視聴者を奪い取るしかないと、改革案が出てきたのです。坂上の起用は、それまでのつなぎ、ということになります」(ある放送作家)
もっとも、バラエティー路線からワイドショー路線への大改革案に対しフジ局内でも大揉めに揉めているという。
「若手クリエイターを中心に大反対の声が沸き起こっている。どうして今さらワイドショーなんだ、と。フジと言えばT層(13~19才の男女)を筆頭にF1層(20~34才の女性)の視聴者の支持を得たことで今の礎を築いてきた。しかも、『笑っていいとも!』で確立した30数年の歴史を誇るバラエティー路線から完全撤退するということは、フジの支持層を切り捨てこれまで縁のなかった層の視聴者を新たに獲得するということ。それは無謀だという声が出たのです。当然と言えば当然です」(フジテレビ関係者)
フジテレビは2012年4月『知りたがり!』、昨年4月『アゲるテレビ』をスタートさせたが、いずれも視聴率低迷を理由に短期間で打ち切った経緯がある。『情報LIVE グッディ!』は大胆な改革で、この屈辱の歴史を覆せるのか――フジテレビにとっては正念場と言えそうだ。