今年GWには映画も公開されるベストセラー『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』(坪田信貴・著)。ビリギャルこと小林さやかさん(26才)が育ったのは、両親が不仲で、もはや離婚もやむなしという崩壊寸前の家庭だった。しかし、今は違う。両親は夫婦仲がよく、さやかさんも結婚し、共に幸せな家庭を築いている。
ビリギャルの娘を育て上げた母・橘こころさん(50才)は、この度その子育てへの思いを、『ダメ親と呼ばれても学年ビリの3人の子を信じてどん底家族を再生させた母の話』(KADOKAWA)に綴った。母と娘で書き下ろした一冊となっている。
さやかさんには弟と妹がいる。弟は少年時代、いわゆる不良グループについて歩き、ある時は警察のお世話になったことも。
警察に補導されても、こころさんは長男を叱責することがなかった。それはなぜなのか、そしてどうして叱らないで済んだのだろうか。
母:息子が小さいとき、私は息子がさやちゃんと妹のまーちゃん(21才)を傷つけたり、暴れたりすることだけはやめさせようと思って、ものすごく叱ったのね。
そしたら、もっともっとやるの。あなたがたがおとなしく絵を描いたりしてると、グシャグシャにしちゃったり。だから、もっと強い力で叱る。そんなことを繰り返していくうちに、しつけようと思う気持ちを超えて、自分がただ怒っていることに気がついたの。しかも、その怒りってエスカレートするし、どんどん頻繁に出てくる。
すると、子供はどうなるかというと、隠れてやるようになるのね。彼が隠れて妹をいじめるようになったときに、私がやっていたことは間違いとわかった。
そんなとき、「子供の感情を抑えつけるような厳しいしつけが将来、子供を犯罪者にする原因になる」と書いてある本にも出合って、私が暗中模索して求めていた答えがここにある、って。
しつけって全部、親の側の自分の都合なのね。誰もが、いい子にしたくて、悪いことをやめさせようと思って叱るんだけど、それは悪いところばかり見るということにつながりやすい。そうじゃなくて、いいところばっかり見て褒めて、認めてあげると、その子は悪いことをする暇がなくなっちゃうのね。ということが、いちばん簡単でシンプルなしつけだとわかったの(笑い)。
娘:だから、私が茶髪にしても、スカートを短くしても、そんなことで叱ることはなかったんだ(笑い)。
母:そうよ。怒って叱るっていうことはものすごくつらいのね。逆にいいところばっかり見つけて、褒めると、自分がものすごく楽な育児ができるのよ。
※女性セブン2015年3月12日号