神奈川県川崎市の多摩川河川敷で中学1年生の上村遼太さん(享年13)が遺体で発見された事件で、殺人容疑で逮捕された少年A(18才)。主犯格とみられるAは、市内の住宅街にある3階建ての一戸建てで暮らしていた。トラック運転手の父と、フィリピン人の母、そして2人の姉の5人家族だ。一家は今から15年ほど前に、約4000万円でこの家を購入し、暮らし始めた。
「幼い頃のAくんは小柄で色が白く、クリっとした目がかわいい子でした。わんぱくっていうよりは、あまりしゃべらない大人しいタイプでね。真ん中のお姉ちゃんと仲がよくて、よく近所のお店で一緒に買い物をしていましたよ」(Aの近隣住民)
ところが小学校時代には、フィリピン人とのハーフということもあり、いじめに近い扱いを受けたこともあったという。
「みんなと見た目が少し違うから、からかわれることも多かったんです。そのせいで、もともと大人しい性格だったのが、さらに塞ぎ込んでいって。中学にあがっても、いつも教室の隅にいるような目立たないやつで、影が薄かったんですよ」(Aの中学時代の同級生)
一方でAの狂気が垣間見える事件も起きた。中学1年のとき、同級生とけんかになったAは、相手の顔がパンパンに腫れ上がるほど殴り続けたという。
「普段の様子とはあまりに違いすぎて、“あいつはキレたら何するかわからない”ってみんなに知れわたったんです。それもあって、もともとあった周りとの距離が開いて、さらに孤立していきました」(前出・Aの中学時代の同級生)
中学を卒業したAは市内の定時制高校に進学。音楽部に入部した。
「不良のイメージなんてまったくなくて、どっちかっていうとアニメオタクって感じでした。ただ、しばらくすると学校も休みがちになって、部活にもあまり顔を出さなくなっていったんです。そしたら、“不良グループに入ったらしい”って噂になって。バイクに乗ってコンビニの前でたむろしたり、たばこを吸って酒飲んで…」(Aの知人)
そしてAは、こんな話を武勇伝のように語り始めることになる。
「この間、その辺のオヤジを鉄パイプでボコボコにしてやった。それでカンベツ(鑑別所)帰りよ」
それからAは不良の道に染まっていく。カッターナイフを常にバッグとポケットにしのばせ、酒を飲むと「人を殺してみたい」と漏らしたという。不良グループのメンバーと一緒にいる時間も増えていった。
※女性セブン2015年3月19日号