高校野球は地域ごとに特性があるから面白い。週刊ポスト増刊『プロ野球&甲子園 甦る伝説』では、地方予選でこれまで起こった「大番狂わせ」を47都道府県で徹底網羅、特集した。高校野球史に詳しい森岡浩氏が、富山、奈良、愛知の高校野球マル秘情報を解説する。
●本塁打で清原1人に負けている富山
富山県勢が甲子園で打ったホームランは春夏合わせて9本。最初は1939年の高岡商と古いが、2本目はそれから23年後の1962年。2012年に富山工の荒城英治選手が打ったのは同県代表9年ぶりのホームランだった。ちなみにPL学園の清原和博が打ったホームランは計13本。
●なぜか奈良は神奈川に勝てなかった
1960年に御所工が法政二高に敗れて以来、2001年に智弁学園が桐光学園に敗れるまで、奈良県勢は神奈川県勢と対戦して11連敗を喫していた。2011年に智弁学園が9―4で横浜を下して、12戦目でようやく初勝利をあげた。
●愛知は甲子園で県大会をやった?
戦前は日本を代表する強豪県で、特にセンバツでは圧倒的な強さを誇った。センバツに2校以上出場することも珍しくなく、1937年には一度に4校が出場。1933年、1937年、1938年、1941年と4度の同県対決が実現している。
※週刊ポスト2015年3月6日号