すべての洋服は脱ぎっぱなし。注意をすると、すぐにへそを曲げる…。どうしてこんなに男は扱いにくいのか…と、あきらめモードになっていませんか? 離婚する夫婦が珍しくない時代、どうすると良好な関係を保ったまま夫を操縦できるのか。
作家、エッセイスト、ベリーダンス講師と常に第一線で活躍し、『50代からもっと幸せ』(主婦の友社)を3月に刊行する横森理香さん(51才)に聞いた。
横森さんが、2才年下のカメラマンの夫・増田勝行さん(49才)と知り合ったのは大学時代。友人時代を経て10年間の交際後に結婚し、小学6年生の一人娘がいる。
その長いつきあいから生まれた夫婦円満のコツは、“人は変わる”ということを認めてつきあうことだと言う。
「人間は奥深いから、こういう人だと思っていても、年を重ねると変わってしまう。だから“こんな人じゃなかったはず”と、言い出すと不和になる。自分も、かつてと同じかといえば、そうではないでしょう。変わることを認めないとね」(横森さん。以下「」同)
若い頃の夫は、いつもニコニコして機嫌のいい男だったが、それがだんだん頑固オヤジ化して扱いにくくなってきたと笑う横森さん。
「今じゃ、“地獄から戻ってきたの!?”てツッコミたくなるようなひどい顔で帰宅することもあるの」
若い頃は、なんでも話を聞こうとしたが、本人の問題は妻にもどうすることもできないと、ある時、気づく。深掘りすると、嫌な出来事を思い出させて、より機嫌が悪くなるだけ。だから、今では受け流すようにしている。
「夫に何かしてあげられるとしたら、好物を作ってあげることぐらいかな。手の込んだ料理じゃなくていいの。カレーが好きなら市販のルウで充分。ケチャップ味のナポリタンでもいい。ベタなB級グルメね。男って単純だから、いわゆる“マミーズテースト”を食べると、心が落ち着くみたい。うちの夫はお肉とパリパリの生野菜サラダが大好物だから簡単よ。
おしゃれなカルチャー雑誌を見ると、格好いい男が巷にあふれていると勘違いしちゃうけど、男の中身はいくつになっても小学校低学年だからね」
放っておく境地に達した横森さんだが、過去にはストレスのやり場に困った経験も。
「40才を過ぎると、子供の教育や更年期で、みんな自分のことで精一杯。グチを聞く余裕もなくなっちゃう。だけど、たまったストレスは吐き出さないとダメ。夫の言動が原因で不調を起こす、いわゆる“夫原病”になっちゃうから。私は文筆家ですから、書くことで癒されてる部分もあるの。みなさんも日記などつけると、スッキリするはずです。
でも、もっと効果的なのは、趣味を通じてできた新しい友達とおしゃべりすることかな。関係ないおしゃべりで笑っていれば、嫌なことは忘れられますから。怒りを夫にぶつけてけんかしても、自分が傷つくだけ。自分の機嫌は、自分でよくするの」
さらに横森さんは、ストレス解消のために始めたヨガの呼吸法にも助けられている。
「怒りにとらわれてグチっぽくなっているとき、人はたいてい呼吸が浅くなっているんです。イライラを感じたら、普段よりもずーっと深く呼吸をしてみて」
呼吸が深くなることで心が落ち着いて、不思議となんでも許せるようになると話す。
「それから、ペット。わが家では、ずっと猫を飼っているのですが、猫はかすがいで、“今日、パンダちゃん(猫の名前)がねー”と、猫の話題で一家が団結します」
※女性セブン2015年3月19日号